野菜ソムリエ
最近、「野菜ソムリエ」という言葉をよく耳にするようになりました。この言葉の産みの親、福井栄治さん(1963年生まれ)は、総合商社を退職後の2001年、「日本ベジタブル&フルーツマイスター協会」を設立しました。野菜や果物に関する専門知識を学ぶ養成講座をもち、2005年までに約5000人の「ジュニアマイスター」が誕生しました。福井さんの考える「マイスター」は、単なる商品情報だけでなく、栄養や調理法、接客などのコミュニケーション法、流通、マーケティングなどあらゆる面での人材養成を目的としていて、資格も「ジュニアマイスター」から「マイスター」、さらに「シニアマイスター」へとステップアップできるしくみになっています。
福井さんは、こうした資格制度(ソフト事業)と合わせて、「野菜ソムリエ」のいる青果店「Ef(エフ)」の経営展開(ハード事業)にも取り組んでいて、都内を中心に店舗数を増やしています。単に物の販売だけでなく、情報提供や顧客とのコミュニケーションを重視したお店づくりというコンセプトですが、考えてみればスーパーに席巻されてしまった八百屋さんがやっていたことです。この辺の動向は、銭湯がなくなって、日帰り温泉が増えているのと似ているような気がしますね。
物事を研究すること、評論することもとても大切ですが、福井さんのように実践する人、それに共感して行動する人が増えてはじめて、新しいムーブメントは起こるのだろうと思います。食べるということは、健康な命を育むために最低限必要なこと、そして楽しいこと、その食を支えているのが農業です。この当たり前のことのありがたさに感謝し、もはや身近ではなくなってしまった畑と食卓の距離をもう一度取り戻そうとする福井さんのチャレンジにエールを送りたいと思います。


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